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蕎麦屋に関係ないことばかり

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釜めしは宝石箱

   

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先日、両親が旅行帰りに横川サービスエリアで「おぎのやの峠の釜めし」を買ってきてくれた。

ピンとこない方も多いはずなので補足すると、群馬県、長野県あたりで売っている人気の駅弁なのだ。

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最大の特徴は、なんと言っても益子焼の土釜に釜めしが入っているという点。
(※実際にはこの土釜で炊いている訳ではなく味付けした具材を詰めているそうです。)

ちなみに、おはしの袋には「日本最古の駅弁」と書いてある。
なんでも、55年もの歴史のある駅弁界のレジェンド的存在だそうな。

中身はこんなかんじ。

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蓋を取るとこんなビジュアル。

鶏肉、ごぼう、しいたけ、たけのこ、うずら卵、栗、紅しょうが、グリンピース、杏子。

具材のラインナップも、昔から全然変わっておらず、食べた事がある方なら、あーこれこれ。って感じで共感して頂ける事だろう。

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そして、付け合わせでお漬物も別のケースで付属されている。

梅干し、ゴボウ、わさび漬け、ナス、きゅうりのキューちゃんっぽいやつ。

 

僕と釜めしの思い出

最後にこの釜めしを食べたのは、中学生の頃だったと記憶している。

うちの両親は昔からこの弁当が大好きで、長野方面に出かけた際にはいつも家族の分まで買ってきてくれていた。

実は当時の僕は、このお弁当があまり好きではなかった。

タケノコ、椎茸、栗といった具材が得意でなかった事に加え、杏子をどのタイミングで食べていいのか分からずに、結果最初に食べて甘い口のまま弁当を食さなくてはならないというもどかしさ。

ご飯の量も育ち盛りで食欲旺盛な僕の胃袋には、到底満足のいくものではなく、弁当を食べた後にお茶漬けを食べていた事を良く覚えている。

正直なところ、嬉しそうにお弁当を食べている両親を横目に「あなたたち、この弁当がそんなに美味しいのかい?」と内心思っていた。

 

いただきます。

時は流れ、釜めし弁当と再会を果たした僕。

何気なく弁当を食べた僕が思ったこと。

「ん?こんなに美味しかったっけ?」

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鶏肉の甘辛い味付けとささがきのゴボウが、ダシで炊かれたご飯ととても良く合うのだ。

そして昔は苦手だったタケノコと椎茸も今では克服した。いや、むしろ大好物だ。

それぞれの具材を茶飯に混ぜる事で、より一層味が混ざりあって美味しさが広がる。

昔は全く手を付けなかった漬物にいたっても、別のケースになっているからお弁当の風味も損なわず、箸休めにはちょうどいい量だ。

しかも、釜めしをかたどったケースの形に、付け合わせがそれぞれのポジションへコンパクトに収まっている。

いや、深く考えすぎか?だか長い試行錯誤を重ねた結果、この絶妙に計算された具材の大きさ・フォーメーションにたどり着いたのではないかと勝手に美学を感じた。

そして、紅一点(?)杏子ちゃん。昔からあまり得意ではなかったのだけれども、おそるおそる食べてみるとどうだろう。程よい甘さでなかなかイケるではないか。

きっと、杏子は食後のデザートとして最後の楽しみにするのが正解なのだと僕は悟った。

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気が付けば、あっと言う間に完食していた。

夢中だったのでおそらくニヤケながら食べていたかもしれない。誰かに見られていなくてホントよかったと思う。

 

とあるグルメレポーターが料理の味を絶賛する際に、いつもこんなセリフを口にする。

「うわぁ~宝石箱や~」

 

釜めし弁当を食べた感想としては、このセリフが一番しっくりとくる気がする。

きっと、あの日見た両親の目にも、釜めし弁当が宝石箱に見えていたのだろう。

 

具材はシブいし、お値段は1000円と少し高いけれど、素朴で味わい深い大人向けのお弁当。

旅先で見かけた際には、是非味わってみてほしいと思う。

 

今回紹介したところ

おぎのや

HP  http://www.oginoya.co.jp/index.html

 

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